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スパイウェアについて
セキュリティ脅威の変動

かつて、クライアントPCへのセキュリティ脅威は、全世界同時に流行し国境を越えて蔓延するウイルスが中心でしたが、現在は攻撃手法が多様化し、いかにスパイウェアなどを用いてユーザから金銭を搾取するかという手法にシフトしています。そのため、海外産マルウェアに加えて国産マルウェアを使用して、日本語のスパムメール、フィッシング、ソーシャルエンジニアリングなどと組み合わせて、国内の特定ユーザを攻撃するケースが増えています。

一方で、企業の内部ユーザが、社内の機密情報を不正取得するなど、意図的にマルウェアを内部犯罪用ツールとして使用することがあります。また、ユーザが利便性に優れた機能を追求するばかりに、フリーウェアやセキュリティソフトなどをスパイウェアであることを知らずに使用することで、無意識的に社内から情報を漏えいさせているケースもあります。

スパイウェアによる企業への影響
           
スパイウェアの被害は個人レベルの被害にはとどまりません。スパイウェアが企業内のPCに侵入すると以下のような被害が発生します。

  • 顧客情報などの個人情報の漏えい
  • 知的財産などの機密情報の漏えい
  • セキュリティ侵害
  • PCパフォーマンスの低下
  • ネットワーク負荷の増加
企業内ではスパイウェアによって個人情報が外部に流出する可能性があります。これは個人情報保護法の観点から絶対に回避すべき企業リスクです。また、スパイウェアによって管理者のログインパスワード等が漏えいすれば、システムへの不正アクセスを自由に許し、結果的に企業の機密情報が漏えいすることになります。

また、スパイウェアによるシステムへの影響は甚大です。スパイウェアが侵入するとPCが不安定になったり、パフォーマンスが悪化したり、最悪の場合フリーズしたりします。また、情報が外部と頻繁に通信されれば、ネットワークへの負荷も大きくなります。

更に、スパイウェアは、自分自身の存在を隠すためにセキュリティソフトを無効化にするものも存在します。その結果、防衛できたはずの不正アクセスを回避できないというセキュリティ侵害を引き起こします。

スパイウェアの被害によるビジネスリスクには以下があります。

  • 不正送金
  • サイトの閉鎖
  • 売上ダウン
  • 企業イメージの失墜
  • 株価の低下
顧客のPCに侵入するスパイウェアも企業にとって大きなリスクとなります。例えば、インターネットバンキングやイートレード利用時に、利用者により入力される口座情報、ログインパスワード等の取引に必要な情報を記録され、外部に送信されます。これらの情報が流出すると、金銭的な被害が発生し、サービスを提供した企業側がその被害を補填する義務が生じます。

2005年7月には、国内の金融機関が運営するインターネットバンキングの利用者や大手のショッピングモールのショップ管理者をターゲットとしたスパイウェアが出回りました。実際に、取引情報を抜き取られ、それらの情報を利用された不正送金の被害事例が報道されています。

今やスパイウェアは企業にとって大きなビジネスリスクとなっています。自社のPCへのスパイウェア対策は勿論、顧客のPCに対するスパイウェア対策も啓蒙しなければ、自社のビジネスリスクを回避することはできません。スパイウェアの被害が一旦報道により明るみになれば、インターネットビジネスはあっという間に窮地に追いやられます。サイトの一時閉鎖、客離れや買い控えによる売上げダウン、企業イメージの失墜、それに伴う株価の低下も起こります。

予防とスパイウェア検出・駆除ソフトによる対策

スパイウェアによる経済的な被害が起きていることを受けて、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)より「パソコンユーザのためのスパイウェア対策5箇条」の実施が呼びかけられています。
  • スパイウェア対策ソフトを利用して、定義ファイルの更新とスパイウェア検査を定期的に行う
  • パソコンを常に最新の状態にしておく
  • パソコンのセキュリティを強化する
  • 万が一のために必要なファイルのバックアップを取る
スパイウェア対策も、今までのウイルス対策と同じような対策が必要です。

スパイウェア検出・駆除ソフトによる対策
ウイルスの駆除にはウイルス対策ソフトを利用するように、スパイウェア対策にはスパイウェア対策ソフトの利用が必要です。

既存のウイルス対策ソフトもスパイウェア対策機能を強化してきていますが、ウイルス対策ソフトでの完全な検出は不可能です。その最大の理由は、スパイウェアをはじめとする不正プログラムにはグレーツールを多く含んでいることが挙げられます。ウイルスのように感染そのものが被害であるものについては、ウイルス対策ソフトは「検出すれば即刻削除」という基本構造になっています。使用方法によって判断が必要なスパイウェアの扱いには不向きです。例え検出できるとしても、その駆除率はかなり低いです。なぜならばスパイウェアの多くはアプリケーションとしてマシンにインストールされており、システムソフトウェアと連動していたり、レジストリと呼ばれるシステムの設定に書き込まれているからです。スパイウェアの駆除はアンインストールの技術が必要なのです。検出した スパイウェア機能を含むファイルをウイルス対策ソフトで削除すると、本来のソフトウェアが動作しなくなったり、システム全体の動作をおかしくしたり、スパイウェアの種類によってはその機能が復活したりします。 スパイウェア対策には、専用の検出・駆除ツールを利用して万全な環境を整えることが必要です。  
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